グリーン周りのアプローチでのトップは、嫌な音や感触と共に、ボールがグリーンをオーバーしてしまったり・・・と、とにかく出てしまうとショックなものです
そして、一度トップしてしまうと、次からも「また、やってしまうのでは…」という恐怖心から、余計に緊張してミスにつながったりもします。
でも、トップなんてどうやって直すの?
と思っている人も多いと思いますが、結論から先に言いますと、
トップは直ります!!
まずは、トップボールが出る原因を知ったうえで、それが起きないように普段の練習から整えていく方法、そしてコースでできるトップ防止の方法をお伝えします。
もう、アプローチをびくびくしながら打つことは無くなります!
そうなれば、一回のラウンドで5打以上スコアを縮めることも可能です!
例えば、スコアが100台の前半であと少しでを100を切れない人も、100切りは現実的になってきます!
アプローチのトップの3つの原因とは?
アプローチのトップの原因は、一つに特定することはできません。
考えられるエラーを順番に挙げていきます。
まず一つ目は、構え方のエラーです。
構えた時のボールの位置が、足の幅の中央よりも左に置かれていると、クラブヘッドの軌道の最下点よりも先にボールが来るために、フェースの下のリーディングエッジ(いわゆる歯の部分)に当たりやすく、トップボールになります。
二つ目は、打ち込み角度のエラーです。
球を高く上げたい・・・という意識があると、ボールをフェースですくい打とうとして、地面にしっかり届かせることなくボールを打ってしまい、トップになってしまいます。
反対に、しっかり地面に届いてはいても、ボールの手前でダフってしまい、そのあとでヘッドが上昇して歯に当たる“ダフリトップ”というものもあります。
三つ目のエラーは、ストロークによるものです。
これは、体をあまり使わずに手先を使ってストロークしてしまうことにより起こるものです。
特に、「柔らかくふわりと球を上げたい」という意識からグリップを緩めて打つと、ヘッドが走ってしまい、トップした場合は飛び過ぎて大きくグリーンをオーバーしてしまいます。
アプローチのトップを改善する方法
上記の三通りのエラーを踏まえて、アプローチのトップを直す具体的な方法をご紹介していきます。
まずは構え方から見ていきましょう。
ボールの位置は真ん中から、それよりもやや右側に置きます。
これは、ボールをすくい打たないようにするためです。
ボールの位置を真ん中~やや右側に置くことによって、ボールを最下点よりも手前で捉えることができるので、ボールをフェースの芯でとらえやすくなります。
さらに、しっかり地面に届かせるためにもボールに近づいて構えることも重要です。
ボールから離れてしまうと、スイングプレーンがフラット気味になり、トップが出やすくなります。
初めはダフってもいいので、近く立ってしっかりと最下点に届かせるようにしましょう。
打ち込み角度のエラーを防ぐために、アドレスの時点で手の位置を体の中心よりもやや左にセットして、シャフトが傾いた、いわゆる“ハンドファースト”の形を作って構えるのが良いでしょう。
そして、打つ時にもハンドファーストの形でボールを捉える意識を持ちましょう。それにより、最下点に向かってヘッドが下降中にインパクトできるようになります。
それではボールが上がらないのでは?
という声が聞こえてきそうですが、それでもウェッジを持っていれば十分に球が上がりますし、フェース面にしっかりコンタクトする分、フェースの溝にしっかりボールが引っ掛かるため、バックスピンの量が増え、ボールが止まりやすくなります。
そして、実際にストロークする時には、腕や体を緩めることなく体の回転でスイングしていきます。
そのためにもクリップは、しっかりと強めに握っておきましょう。
この時に、振り幅に応じて握る長さを短くすると、距離のコントロールがしやすくなります。
アプローチは体重移動をしないでしょ!
と勘違いしている人も多いのですが、実際は、フルスイング同様に体重移動は行います。
ただ、右~左へ大きな移動は必要なく、インパクトでしっかりと左足に体重を乗せることにより、すくい打ちを防ぐことができます。
アプローチのトップを直す練習方法
アプローチのトップを直す試みは、練習場での練習からやっておきましょう!
ここでは、おススメの3つの練習方法をお伝えします。
その1 インパクトの形を作ってから打つ
アプローチが上手くいかない理由として、“インパクトの形が悪い”ことが考えられます。
例えば、右足に体重が残っていたり、手をヘッドが追い越した形でインパクトを迎えれば、当然トップの可能性も大きくなります。
そこで、打つ前に一度インパクトの形を作って確認してから、打つ時にそれを再現させる練習をしてみましょう!
良いインパクトの形を確認しますと、
・手がボールの位置よりも前に(左に)出ている
・ヘッドが手元を追い越さずに“ハンドファースト”の形になっている
出来れば鏡の前などでインパクトの形を確認しておいて、練習場ではアドレスの状態から1~2度インパクトの形を確認して、すぐにスイングする・・・という流れで練習してみましょう。
その2 長いクラブで練習する
ここではあえて、フェアウェイウッドやユーティリティーなどを使い、アプローチの練習をしてみましょう!
まず、握る長さは、グリップを持たずに、シャフトの部分まで短くして持ちます。
そうすると、グリップエンド側が余ってしまうので、その余った部分を左脇のほうに持ってきます。
あとは、構えたら腰の高さ~腰の高さの半分くらいの小さな振り幅でストロークするだけです。
やってみると分かりますが、ボールは全く上がらず初めから低く転がります。クラブのロフト角がないので、どうやっても上がりません。このことにより、アプローチで上げようとする動作を矯正することができます。
そして、シャフトが左に常に傾いているので、自然とハンドファーストの形で構えてストロークすることができます。
手首を使うと、シャフトが体に当たったりして上手く打てません。
この練習で覚えた正しいストロークで、次はウェッジなどアプローチで使うクラブを持って練習してみましょう。
今までにない、良い感触でボールを打てるようになるかもしれません^^
その3 小さい振り幅で“緩み”をなくす
アプローチの苦手な人を見ていると、かなりの人が距離に対して振り幅が大き過ぎるように感じます。
振り幅を大きくすると、どうしても緩む部分が出やすくなりますので、それを直すためにボールを両腕の間に挟んで練習してみましょう!
ボールは、100均で打っているような子供用のゴムボールで結構です。両腕の手首~上腕の辺りでボールを挟んで、それが落ちないようにしっかり両腕を締めながらストロークします。
振り幅は、時計の文字盤が背中にあるイメージで言うと、7時の位置から5時の位置までの小さいストロークから始めてみましょう。
手先に意識があると、手と身体がバラバラになりやすくなりますから、背中などの大きな筋肉を意識しながら練習すると良いでしょう。
小さい振り幅で慣れてきたら、少しずつ振り幅を大きくしてみましょう。ただし、腰の高さ~腰の高さ(時計で言えば、9時~3時)の振り幅までが練習しやすく、コースでもよく使いますので、重点的に練習すると良いでしょう。
コースで改善!アプローチのトップ
次は、コースで突発的にアプローチのトップが出た場合の対処方法について説明します。
と言っても、コースではあまり打ち方のことを細かく考えると混乱してしまい、ラウンド中に修正できなくなる可能性が高いので、主に“メンタル面”のお話をしていきます。
その1 サンドウェッジを使わない
プロゴルファーがグリーン周りで、58度などのサンドウェッジを使うシーンをテレビなどで見ているせいか、アプローチと言えばサンドウェッジを使うもの・・・と半ば思い込んでいる人が多いです。
しかし、サンドウェッジはクラブの中で最も扱いが難しいもの・・・と言えます。
その理由は、
・ ヘッドのソール(底)にバンスと呼ばれる出っ張りが付いているせいで、ダフリやすい
・ ロフト角が最も多く、フェースの芯で捉えにくい
という2つの特徴のせいです。
元々は、バンカー内で砂を爆発させてボールを打ち出すために作られたクラブですので、普通に構えて打つとダフリやすいのです。
ダフるのを嫌がってフェースを被せると、リーディングエッジが地面に突っかかりやすくもなります。
ここで、
なぜプロゴルファーは、サンドウェッジを使うの?
という疑問が出てくるかもしれません。
その理由は、
・プロは、練習量が豊富でサンドウェッジを十分に使いこなせるため
・トーナメントのセッティングが難しいため、深いラフからでも打ち出しやすく、速いグリーン上でもスピンで止めやすいサンドウェッジを多く使用する
しかし、皆さんがよくプレーするコースは、そこまでグリーンやグリーン周りのセッティングが難しくないことが多いです。
そして、練習量が少ないサンドウェッジを使う必要があまり無いのであれば、その代わりにピッチングウェッジやアプローチウェッジ、或いは9番アイアン以上のクラブを使ったほうが、打ち方のミスが大きく減らすことができるはずです。
パターが使うことも、有効な方法ですよ!
その2 体の大きな筋肉を意識する
一度でもアプローチでミスが出ると、どうしても“手先を使って”帳尻を合わせようとします。
しかし、手先は最も緊張が伝わりやすい部位でもあり、「ミスしてはいけない」という思いから余計にスムーズな動きが失われ、かえって大きなミスにつながるかもしれません。
そんな時ほど手先ではなく、体の大きな筋肉を使う意識を持ちましょう!
具体的には、背中や下半身を積極的に動かしてストロークしていきます。おススメなのは、“両脇を締める”ことです。そうすることで、腕と胴体が一体化し、体の動きでストロークしやすくなります!
その3 “5m以内に乗ればOK”のつもりで・・・
アプローチを打つ時に、
なるべくしっかりピンに寄せなければ・・・
と緊張することによっても、トップが起きやすくもなります。
緊張しやすい人は、アプローチでは
5メートル以内に入れば良しとする
という風に、自らのハードルを下げることがおススメです!
仮に、5m以内・・・と言いながらも30㎝によってくれることも時にはあるでしょうし、反対に6m残ったとしても、グリーン上にさえ乗っていれば、パッティングを頑張れば2パット以内で収まります。
“チョロしてグリーンに乗らない”とか、“トップしてグリーンの反対側に落ちる”なんてことに比べたら、どれほど精神安定上、好ましいことかはお分かりかと思います。
まとめ
アプローチには必ず“原因”があります。
3つの原因と、その原因を改善する考え方と、練習方法、そしてコースでの対処方法についても解説してきました。
“トップするのが怖い・・・”ということは、その原因が分かっていないので不安になるのです。
ご自身のアプローチを分析して(動画を撮って見るのも大賛成!)、その上で練習で少しずつ改善していくことができれば、もうグリーン周りからドキドキすることも無くなります!
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