「練習場シングル」という表現があります。
どういう意味かと言いますと、打ちっ放しの練習場ではいい感じに打てるのにも関わらず、実際にコースに出向くと全くダメ・・・なんていう人を揶揄する表現です(^^;
まあ、なかなか打ちっ放しと同じようにはコースで打てないものですが、あまりにも差があり過ぎる・・・というのも、それはそれでショックなものです(^^;
コースでは、完全に平坦なところから打つことはまず無く、ティーイングエリアですら微妙に傾斜していたりしますので、斜面からの打ち方の基本を身に付けておく事は、スコアメークに不可欠といえますね^^
いつも斜面になるとフラフラしちゃってうまく振れないの・・・
僕はバランスは崩れないけど、狙っている所にボールが飛んでくれない…
斜面からの基本
斜面は、大きく分けて4通りの種類がありますが、まずはどの斜面にも共通するポイントを挙げていきます。
振り幅を抑えめにする
足元を安定させにくい斜面においては、大振りは禁物です。バランスを崩さないように肩から肩、もしくは腰から腰の範囲でスイングするようにしましょう。
グリップを短く握る
コンパクトなスイングのためにも、グリップエンド側を余らせるように短く握るようにしましょう。
飛距離を求めない
斜面からは目一杯飛ばそうとすると、ミスにつながります。平地よりも大きめのクラブを持って、ゆったりコンパクトに振るようにしましょう。
曲がる方向を考慮して足の向きを決める
それぞれの斜面でボールが曲がりやすい方向がありますので、それを考慮してスタンスラインを決めるようにしましょう。
傾斜別の打ち方
前上がり
別名・つま先上がりとも呼ばれる斜面です。
前上がりの斜面ではボールが体に近くなるため、普通にスイングすると地面に突っかかりやすくなります。そのため、スイングを横振りにする必要があります。
また、スイング中に上体がのけぞったりしないように、つま先側に体重をしっかりかけたまま打っていきます。
また、スイングがフラットで、フェースも被りやすいため、ボールが左に飛びやすい傾向があります。そのため、目標よりも右方向に狙いを定めることが必要です。
斜面の角度がきつくなるほど、グリップを握る長さも短く握ります。
前下がり
別名・つま先下がりとも呼ばれる斜面です。
前下がりの斜面では、ボールが足元よりも低くなるため、ボールに届かせるためには縦振りにスイングする必要があります。体が突っ込んだりしないように、初めからボールに近く立つようにしましょう。
アップライトなスイングでフェースも開きやすく、ボールが右に飛びやすい斜面ですので、狙いを目標の左に合わせる必要があります。
バランスが崩れないように、かかと側に体重をしっかりと掛け、前傾角度を保ちながらコンパクトに振りぬきましょう。
また、ボールがつかまりにくく、飛距離が落ちやすいので、クラブは平地よりも大きい番手のクラブを持つようにしましょう。
左足下がり
左足下がりの斜面は、ビギナーにとっても難しい状況であるのはもちろん、中級者以上でも苦手とする人も多いです。
ボールの手前側が高いので、基本的にはダフりやすいです。逆に、ある程度経験を重ねると、ダフるのを嫌がってリリースできずにトップしていまうことも往々にあるので、厄介な斜面ですね(^^;
更に、ボールが上がりにくい斜面なので、どうにかしてボールを上げようとしてしまいがちで、それはそれでミスにつながりやすいです。
スムーズにスイングするため必要な考え方は、”ボールの位置”と”ヘッドの軌道”です。
ダフらないようにするために、ボールの位置は通常の位置よりも右に置きましょう。そうはいっても、その時の調子によってもヘッドが地面に落ちる位置は違いますから、同じ斜面で素振りをしてヘッドが落ちる位置を確認しておきましょう。そして、その位置の少し右にボールを置いてください。
ヘッドの軌道とは、ボールの前後でクラブヘッドがどのような動きをするか?を示すものです。軌道は、”インサイド・イン”と”インサイド・アウト”、そして”アウトサイド・イン”という三通りあるのですが、左足下がりでは”アウトサイド・イン”の軌道を意識してスイングしましょう。
これは、反対の”インサイド・アウト”のスイングを左足下がりでやってみると、手前の地面に当たってまともにボールに届きません。”アウトサイド・イン”軌道でスイングすると、ボールより手前の地面には当たりにくく、斜面なりに低くフォロースルーを出しやすくなります。
そして、ショットのイメージも、ボールを低く打ち出す意識を持ちましょう。それにより、傾斜なりに振って、しっかりと球をミートすることができます。
ボールの方向は、最初から球が右に出る・・・というよりも、飛び出した後で右にスライスしやすいので、傾斜の度合いなどを加味しながら目標の左にアドレスのラインを向けていくようにしましょう。
左足上がり
左足上がりは斜面の中では打ちやすく感じる人も多いかもしれません。と言うのも、ボールの手前が低くなっているため、ダフリにくいからでしょうか?
とはいえ、ダフりにくいものの、斜面に突っかかりやすく、飛距離が出ないばかりか、手首の故障にもつながりかねないので、やはりスイングには工夫が必要です。
ボールをセットする位置は、通常とほぼ同じで良いでしょう。
スイングの軌道は気を付けたいポイントです。左足下がりと同じような”アウトサイド・イン”の軌道でスイングすると、地面に突っかかりフォロースルーを出せなくなりますので、ここでは”インサイド・アウト”の軌道を意識して斜面なりにスイングすることを心がけましょう。
斜面なりにスイングすれば、自ずとボールが上がりますので、特別なことはせずに、短めに持ってコンパクトに振ることはここでも意識しましょう。
ボールが高く上がる分、飛距離が落ちるので、通常よりも大きめの番手で打っていきます。
ボールの方向は、飛び出した後で左に曲がるフックボールが出やすいので、それを見越して目標よりも右に狙いを定めたいところです。
斜面での体重配分は?
ここまで4種類の斜面からのポイントを見てきましたが、ここで
「あれ?左足下がりと左足上がりで、体重配分のことが書いてないじゃん!」
と、賢明な方は気付かれたかもしれません^^
そうです。この2つの斜面での体重配分は、これが基本!と言い切れないのです・・・
と言いますのも、よく言われる“斜面なりに立つ”という方法(ここでは”谷側体重”と呼びます)の場合、低い方に体重を多くかける形になりますので、斜度がきつい場合にバランスを取ってスイングすることはかなり難しくなります。
筋力のある男性なら、その方法でも打てるかもしれませんが、年配の方や女性などは、角度によっては物理的に難しいかもしれません。
そんな人は、高い方に体重を多く乗せる“山側体重”の方法をおススメします。
山側体重は、バランスを取りやすいばかりでなく、肩のラインを平地と同じように構えることができるため、スイングしやすい・・・という利点があります。
ただそれぞれの斜面で、低い方に多く体重をかけた“谷側体重”の時よりも更に、斜面にクラブが突っかかりやすくもなりますので、しっかりとアウトサイド・インなり、インサイド・アウトの軌道を意識してスイングしていきましょう。
まとめ
いかがでした?
斜面の種類には4通りあり、どの斜面にも共通することと、それぞれの斜面によって異なることがあることを覚えておきましょう。
いずれにしても、傾斜地からは無理して飛ばそうとせず、体のバランスを保ちながらコンパクトにスイングすることです。
そして、どちらにボールが飛びやすい斜面か?を考慮してうえで、アドレスの方向を決めるようにすれば、難しく感じる斜面からのショットも成功させることができるはずです!^^
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